2017年4月より、銀行カードローンの審査が厳しくなり、今までどおり通らなくなった背景について

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多重債務問題が大きな社会問題になり、消費者金融業者は総量規制などにより、その貸付残高を急激に減少させていました。
一方で規制の対象外とされる銀行のカードローンの貸付残高が急激に伸びていき、現在では貸付残高は逆転していますが、規制により生まれた”銀行と消費者金融と債務者”の関係の変化と、既に起きているカードローンの審査の厳格化についてご紹介したいと思います。

消費者金融の貸付残高の減少

2002年に施行された総量規制は、債務者への過剰貸付を防ぐために、年収の3分の1を超える借入ができないように定められた規制です。この規制により新規で50万円以上の借入申込をする場合や、借入金残高の合計が100万円を超える場合での申込には所得証明書の提出が義務づけられるようになり、債務者は消費者金融からの借入を簡単にはできなくなりました。

また消費者金融業者に対しては広告を自粛する働きかけがあり、業界では”消費者金融のCM数”は、月間100本(1本15秒換算)としているほか、午前7~9時と午後5時~10時についてもCMを流すことを禁止しています。またテレビ局の基準では午後5時~9時までは流せない事になっているなど、色んな場面で制限を受けている消費者金融はその貸付残高が減少していくことになりました。

銀行は規制の対象外

多重債務者の借り過ぎによる破産から債務者を保護するための総量規制は、実は消費者金融、信販会社、クレジット会社からの個人向け融資を対象としているものであり、銀行からの借入については対象外とされています。

そのため消費者金融業者とあまり条件の変わらない銀行のカードローンは、総量規制の対象外とされ、貸金業法の規制も銀行には適用されないため、銀行カードローンのCMが消費者金融の2倍近い本数が流されるようになり、銀行カードローンは貸付残高が急増し、消費者金融を上回っていきます。

こうした背景から銀行カードローンの過剰貸付が問題視され、全銀協が2017年3月に打ち出した方針では2017年4月より、カードローン審査の際に、収入証明書を提出するなど基準を厳しくしようとする動きが起きています。

参照記事 日本経済新聞『銀行、カードローン抑制 融資上限下げ審査厳しく 多重債務問題に対応』

銀行カードローンと消費者金融の関係

銀行系カードローンには保証会社の保証が必須で、無担保としながらも銀行の貸付には保証会社の保証がついたローンになるのがカードローンになります。
この保証会社には「アコム」「プロミス」「セディナ」「オリコ」などといった消費者金融業者の名前が多いのですが、実はこれは消費者金融業者が総量規制などで減少してしまった貸付収益を補うために銀行への保証業務で補っていたのです。

実際、銀行系のカードローンであっても消費者金融と変わらない高金利となるのは、金利のうち30%~50%程度は保証会社への保証料であることが多く、実質的には銀行が窓口になる消費者金融の迂回融資と近い関係にあります。銀行カードローンの審査時間のほとんどは保証会社の審査時間となっており、銀行側は広告と受付窓口業務、そして書類の確認作業になっていると言えました。

まとめ

貸金業法において、多重債務者を保護するために規制を設けても、規制対象外とされる銀行を通じて貸付がなされた結果、カードローンの貸付残高が飛躍的に伸びることになり、実質的に意味のないものにされてしまった印象を受けます。

借主にとっても『消費者金融からお金を借りのに抵抗はあるけど、銀行なら借りやすい』という心理と、規制強化で融資を伸ばしにくい貸金業者、そしてマイナス金利下でも一定の利ざやが確保できる銀行の関係から残高を急激に伸ばしていたカードローンですが、カードローンが総量規制の対象外であることが問題視されるようになり、これを受けて全銀協が過剰貸付対策として自主規制の動きに乗り出した事から2017年以降は大きな変化が生まれるのは間違いないと思います。

今までは総量規制のぎりぎりの借入金高であった方でも、カードローンでの審査が通りましたが、今後は銀行の貸付は厳格化され、新規で個人向け融資を受ける事は難しくなっていくものと思います。そのため新規で借り入れする場合には、資金使途を良く考えて、今でも総量規制の対象外となっている「おまとめローン」「借り換えローン」などを上手に利用して、返済計画を立てていく必要性があると思います。

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