痛風の発症を抑えるために服用する薬のひとつにコルヒチンがあります。
コルヒチンの利用を考えている方は、医師とよく相談して服用することが大切だと思います。
コルヒチンとは?
コルヒチン(colchicine)とは、1964年から発売されているリウマチや痛風の治療に用いられてきた薬になります。
痛風の激痛を発症する前に抑えるための薬であり、発作が起きてしまった後は、痛みを抑えるような効果はありません。
ユリ科のイヌサフラン(Colchicum autumnale)の種子や球根に含まれるアルカロイドであるため毒性も強く、下痢や嘔吐などの副作用が出ることがあります。
コルヒチン薬の特徴について
白血球の働きを弱める効果
コルヒチンには白血球の働きを弱める効果があり、痛風の激痛の原因である関節腔から剥がれ落ちた尿酸の結晶を白血球が攻撃することを抑制させることで炎症を抑える狙いがあります。
そのため痛風発作が生じた直後、又は前兆があるときにコルヒチンを服用する事で激痛を回避することができます。
しかし飲むタイミングは難しく、コルヒチンは飲むタイミングが早いほど痛風発作の予防効果が高く、逆に痛風発作が起きてから、ある程度の時間が経過してしまうと効果が期待できないものになってしまいます。
毒性が強く長期間服用することに向かない
コルヒチンは痛風薬としては非常に効果が高いものですが、薬の毒性が強く、下痢や嘔吐などがあった場合には、すぐに服用をやめなければいけません。
また服用し続ける事は危険であるため、医師と相談しながら服用することになります。
痛風の治療薬ではない
コルヒチンの効果は、白血球が尿酸結晶を攻撃させないためのものなので、間接内にこびりついた尿酸結晶を溶かしたり、血液中の尿酸を減らす効果がありません。
あくまでも激痛を回避、予防するための手段になります。
そのためコルヒチンをいくら服用しても痛風の治療効果がなく、食事療法や尿酸値を下げるための薬の併用などの治療も行う必要があります。
コルヒチンの副作用について
コルヒチンは、その副作用から最近ではあまり処方されなくなってきている薬のひとつです。
副作用の発生率は4.6%と報告されており、内容については以下のようになっています。
(1)下痢
(2)吐き気などの胃腸障害
(3)脱毛
(4)じんましん
(5)息切れ
コルヒチンの副作用にみられる下痢や吐き気といった胃腸症状は、コルヒチンが胃腸の上皮細胞を損傷するためだと考えられ、アルカロイドに属する薬のため、毒性があります。
医師の指示のもとで少量を必要な時のみ服用するようにして、大量に用いたり長期間用いたりすることは避けるべきです。
重大な副作用について
1.再生不良性貧血、顆粒球減少、白血球減少、血小板減少
コルヒチンには細胞の分裂を抑制する効果が報告されていて、貧血、白血球減少、血小板減少などの血球減少が生じることがあります。
2.横紋筋融解症、ミオパチー
特に腎機能が悪い方では、コルヒチンによって筋肉が損傷を受けて発症するミオパチー(筋肉が萎縮する疾患の総称)が生じやすいと考えられています。
3.末梢神経障害
コルヒチンにより神経細胞の形成が阻害される事によって生じる神経障害も報告されています。
4.奇形児の可能性
コルヒチンは動物実験において奇形児が生まれやすくなるとの報告されており、夫婦ともに妊娠予定の3カ月前からコルヒチンを服用しない事が推奨されています。
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