個人賠償保険の範囲改正について 認知症損害について補償の対象になる人の拡大について

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認知症損害と個人賠償責任保険

高齢者が認知症で徘徊した方が、鉄道事故に巻き込まれる事故がありますが、被害者の遺族に対して莫大の損害賠償請求が来ます。

自動車の事故の場合には、ドライバーが過失に応じて、被害者の遺族に対して慰謝料などの損害賠償金が支払われますが、鉄道事故の場合には、そういった慰謝料が支払われないばかりか、電車を止めたことによる損害賠償金や片づけ費用などを請求してくるのが普通です。

鉄道事故の場合には、裁判になることが多く、数百万円の損害賠償を求められることも珍しくありません。そのため遺族は、悲しみの中で、さらなる追い打ちを受けるのです。

保険会社の変化

2007年の裁判で、認知症の徘徊による鉄道事故の裁判で、この事故の損害賠償をめぐり、鉄道会社と遺族間で裁判が行われていました。
一審は配偶者と長男に請求額全額の支払いを命じる判決。
二審では配偶者にのみ、請求額の半額程度の賠償金の支払いを命じる判決。
最高裁では、遺族に賠償責任はないという判決がでました。(2016年3月)

この判決で遺族は損害賠償金を支払う必要はなくなり、この訴訟がきっかけになり、損害保険会社では、認知症の方が事故で損害を与えた場合に保険金が支払われるよう、個人賠償責任保険の内容に改定を行った会社も出てきました。

個人賠償責任保険の概要

個人賠償責任保険とは、他人の物をこわしたり、他人にケガをさせてしまったときなどに、保険金が支払われる保険です。

支払われる保険金には、被害者に対する損害賠償金のほか、弁護士費用、訴訟になった場合にそれに要する費用なども対象になります。

保険料は、比較的安く、保険期間は1年、保険金額の支払い上限が1億円であれば、一般的に、年間保険料は1000円前後から加入できます。

被保険者の範囲

個人賠償責任保険は、ひとつの保険で家族が起こした事故を補償します。
家族には以下のものが含まれます。
・本人、配偶者、生計を共にする同居の親族
・生計を共にする別居の未婚の子(仕送りを受けている学生など)

個人賠償責任保険の改定には、補償の対象になる人の範囲を広げて、賠償事故を起こした被保険者が重度の認知症など「責任無能力者」の場合に、その人の「法定監督義務者」「代理監督義務者(親族に限る)」「親権者」を被保険者に追加するなどの改定を行っています。

この事で通常、損害を与えた人が、認知症などで「責任無能力者」になる場合などで、本人に代わり、その家族などが「監督義務者」として賠償責任を負うことになっても適用できるということになります。

また被保険者の要件に、「法定監督義務者」「代理監督義務者(親族に限る)」「親権者」が追加された保険では、損害を与えた本人と別生計、別居であっても「監督義務者」であれば、保障の対象となることになります。

補償の対象とならないケースについて

物損や怪我人が出なかった場合には対象外

個人賠償責任保険は、他人の物をこわしたり、他人にケガをさせてしまったときに補償される保険であるため、鉄道事故の場合では、電車の車両が破損したり、乗客がけがをしたりした場合は、遅延損害も含めて補償の対象となります。

しかし怪我人や電車に損傷がなく、遅延のみの場合の損害は、補償の対象にならないことが注意です。

自動車保険の範囲は対象外

自動車の運転中の事故や管理に起因する損害賠償責任については自動車保険の対象になるため、個人賠償責任保険の対象外となります。

仕事中の事故や災害などは対象外

職務遂行に直接起因する損害賠償責任、地震・噴火・津波に起因する損害賠償責任なども補償の対象にはなりません。

まとめ

個人賠償保険については、裁判結果をうけて、補償対象を改定している保険会社があるため、自分の加入している保険に変化が生まれている可能性があります。

1年更新の保険であるため、補償対象が変わっている可能性もあり、どっかで一度確認してみるのも悪くないかもしれません。

2016年3月の判例を受けての改定であるため、契約時の約款には書かれていない可能性もあるので、気になる方は、保険会社に確認してみるのがいいと思います。

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