財産を残したまま債務整理ができる『小規模個人再生』『給与所得者等再生』とは?

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個人再生とは?

最近ではギャンブルや贅沢な暮らしとは無縁でも、税金や社会保険料、生活するためにやむを得ず借金をして返済に苦しむ方が増えてきています。

借金の額が莫大になり、返済に苦しみ生活ができなくなった方は、自己破産することで、法的に税金等を除く、ほぼ全ての借金がなくなり、生活の立て直しを支援する制度があります。

ですが破産の場合には借金のほぼ全てをなくす代わりに財産もほとんど失います。

個人再生とは、借金の大半は法的に免除されるものの、条件をクリアした財産については、持ち続ける事を認める制度になります。

これにより、住宅や車などの財産を持ちながら法的な債務免除を受けることができます。

個人再生の種類について

個人再生には「小規模個人再生」と「給与所得者等再生」の2つがありますが『給与所得者等再生』についてはほとんど利用されることがありません。

その理由は諸規模個人再生と比べて、免除される金額が少ないことなどが理由になります。

小規模個人再生

ほとんどの方が、2つの制度のうち、こちらを選択することになります。
給与所得者であっても選択することが可能です。

条件について

  1. 個人債務者であること(法人はダメ)
  2. 破産に準ずる経済状態であること
  3. 住宅ローン以外の借金額が5,000万円以下であること
  4. 継続的に収入を得る見込みがあること
  5. 弁済が可能であると認められること

弁済額について

以下のうちいずれか金額が高い方

1.最低弁済額の基準額
2.財産の評価額

もっとも重視されるのは、5の再生計画に基づいた返済が可能であることです。
収入から支出を引いた余剰金が、最低でも3万円程度ないと個人再生手続きを認めてもらう事は難しいです。

小規模個人再生には、”債権者投票”というものがあり、過半数の債権者から反対されたり、債務の50%以上を有する債権者からの反対があった場合には個人再生は認可されなくなります。

給与所得者等再生

給与所得者等再生は公務員などのサラリーマンなど給与所得者が利用できる制度になっています。そのため自営業者などは、この制度を利用することができません。

条件について

  1. 個人債務者であること(法人はダメ)
  2. 破産に準ずる経済状態であること
  3. 住宅ローン以外の借金額が5,000万円以下であること
  4. 継続的に収入を得る見込みがあること
  5. 弁済が可能であると認められること
  6. 収入が変動があまりない給与であること
  7. 7年以内に破産などの類似制度を利用していない事

弁済額について

以下のうちいずれか金額が高い方

1.最低弁済額の基準額
2.財産の評価額
3.  可処分所得の2年分

可処分所得とは?
給与やボーナスなどの個人所得から、支払い義務のある税金や社会保険料などを差し引いた残りの手取り収入のこと。

ただし個人再生の場合には、最低生活費も控除された残額となります。

またサラリーマンであっても給与の変動が20%以内であることが条件であるため、歩合給などの賃金体系の方には利用できない方もいます。

個人再生について

また弁済額に可処分所得の2年分という基準が入ることで、弁済額が飛躍的にあがってしまい、借金の免除額が少なくなってしまいます。

加えて給与所得者等再生の手続きをすると、7年間は自己破産することができなくなるのに対して、小規模個人再生ではそのような制約はありません。

破産法などの他の法律とのバランスのせいで、このような制度となっていますが、両者を見比べたとき、『小規模個人再生』の方が債務者はメリットを受けられる点が多く、選択肢は実質的にないとも言えます。

給与所得者等再生は、債権者に反対する権限がないため、債権者側の同意を得られない場合には利用価値が出てきます。

個人再生の弁済額について

個人再生が破産と違い財産を残すことができるのは、この弁済額があるためです。

全部の債務を免除する代わりに財産もほとんど没収する破産に対し、債務の一部を残す代わりに財産の所有を認めるというもので、残す債務のことを弁済額と言います。

弁済額は、『最低弁済額』『財産の評価額』『可処分所得の2年分(給与所得者等再生のみ)』のいずれか高い金額のものになり、その債務を3~5年かけて返済していくことになります。

最低弁済額

最低弁済額は、この制度の特徴上、全額を免除することができないため、最低弁済額を定めているものです。

免除対象となる借入金残高に応じて最低弁済額の計算方法は異なります。

具体的には500万円の債務で苦しんでいる方は、最低弁済額は100万円となります。1000万円であれば、20%の200万円が最低弁済額となります。

ただし100万円以下の場合には一切の免除を受けられない事になります。

財産の評価額について

個人再生で考える評価すべき財産の種類については以下のものがあります。

  1. 現金・預金
  2. 不動産・自動車・有価証券
  3. 退職金や保険金の解約金など
    (※退職金については、12.5%~25.0%の評価)

現金や預金などは、そのままの金額で評価されますが他の財産は、今現金化した場合にいくらになるかの時価で評価されます。

ただし退職金だけは評価方法が特種であり、仮に退職した場合に支給される金額を8分の1にした金額となります。
また退職が決定している場合には、4分の1にした金額になります。

これらの財産の合計額が財産の評価額として考えます。

可処分所得の2年分について

個人再生の可処分所得は、あまり使われない給与所得者等再生でのみ考える基準になります。

『可処分所得』 = 『収入』ー『税金・社会保険料』ー『最低生活費』

最低生活費は、民事再生法の「第二百四十一条第三項の額を定める政令」で定められていて世帯の状況にあわせて計算します。

住んでいる地域や年齢、世帯構成ごとに非常に細かく設定されています。

債権者投票について

小規模個人再生は、債権者が反対することで打ち切られることがあります。具体的には以下のようになります。

1.議決権者の半数以上が反対した場合
2.債務総額の50%以上を保有している方が反対した場合

余談ですが未回答の場合には賛成と同じ扱いになり、あくまで反対の意思を示した人が半数以上となる場合になります。

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