【不動産裁判判例】不動産の売買で仲介業者から間違った説明を受けて、損した税金を損害賠償請求した裁判について

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不動産仲介業者の説明を受けて住宅の買い替えを行ったものの、仲介業者の間違った説明により『居住用財産の買換えの場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例(以下:譲渡損失の繰越控除等という。)』の適用を受けられなかったものとして、その税差額を仲介業者に請求した事件についてです。

紛争の概略について

平成12年4月

Aはマンションを6,200万円で購入し、居住していたが子供も成長し、狭く感じてきたため、広いマンションの買換えを検討していました。

平成18年3月

仲介業者Bに買換えの相談をしたところ、仲介業者から「住宅ローンを組んで新しいマンションに買い換えれば『譲渡損失の繰越控除等』を受けられる」と説明を受けました。

Aは、ローンを組むことに不安を感じていたので、仲介業者から「マンションの売却が出来次第、売却代金でローンを返済してしまえば借入金の負担がなくなる」というアドバイスを受けました。

平成18年10月

Aは6,000万円の新しいマンションを3,000万円の借入を行って取得し、住んでいたマンションを4,000万円で売却し、予定通り、その代金から借入金を一括返済しました。

この結果、譲渡損失は2,000万円ほど計上され、所得税が還付され、住民税もゼロになる計算でした。

平成19年

Aは、確定申告により所得税の還付請求をしようとした際に、『譲渡損失の繰越控除等』は「買換資産の取得に係る住宅借入金等があること」が条件にあることを知り、税金の還付などができないことを知ります。

そこでAは、不動産の仲介業者の説明通りに進めたにも関わらず、税金の還付等を受けられなかったとして、仲介業者に所得税の還付額及び減免されるはずの住民税相当額の損害賠償請求を行いました。

裁判の結論

仲介業者は、裁判で損害賠償請求の請求をされています。

裁判の争点について

原告Aは、正しい知識を仲介業者から得ていれば、借入金を一括返済することはしなかった。
『譲渡損失の繰越控除等』の適用を受けられなくなったのは仲介業者のアドバイスのせいであるということを主張しています。

被告仲介業者は、借入金の一括返済を勧めたのは、借入が不安だという点のアドバイスであり、税制上の適用要件とは別な論点でのアドバイスであった。
税金の還付とローンの不安はA本人の問題であり、買換えに関してAが判断すべき問題である。

この事件の問題点

不正確な知識を提供したために、Aに『譲渡損失の繰越控除等』を受けられなくしてしまい、損失を与えてしまった事件になりました。

この問題の面倒な点が間違えて覚えた知識を提供している以上、仲介業者はミスに気づけていない点であり、大丈夫と思われる点でも、顧客にとって売買の決め手になった部分については、第三者に念のため確認しておくか専門家である税理士や税務署に確認をしておくべきだったと思われます。

裁判の判例では、不動産の仲介業者はお客が予期せぬ損害を被らないように最大限の注意をはかるべきであるとされています。

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