町内会に入りたくない方に対して、強制的に加入させられず、いつでも脱退が可能。『ゴミ捨て場を使わせない』は損害賠償請求に

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町内会とは?

町内会とは、地域ごとの住民等によって組織される親睦、共通の利益の促進、地域自治のための任意団体・地縁団体とその集会・会合です。

大き目の世帯数の多いマンションだとマンションでひとつの町内会を組織する事もあります。

町内会は『人格のない社団』として取り扱われ、法人扱いとなり、バザーなどの収益活動には法人税法が適用されます。

また町内会は任意団体であり、強制加入させることはできず、脱退も片方の意思のみで可能なものになります。(最高裁 判例)

町内会の活動について

町内会の活動で多いのは、回覧板を回して地域住民への情報提供や神社や共同浴場の管理を行っている事例、道路・公園等の清掃やゴミ拾い親睦・交流目的の催事を行う場合も多いものの、時代の変化もあって、町内会に加入しない世代が増えてきているようです。

日本の文化では近所付き合いを大切にして、交流を深める場のひとつとして町内会の役割はとても大きかったのですが、共稼ぎ世帯が増え、ご近所との関係が希薄になりつつある現代の社会においては、その役割を失いつつあるのかもしれません。



町内会への加入の強制はできないし、いつでも脱退できる

地域によっては、地域の維持・管理義務を目的に全世帯を町内会への加入させようとする方もいらっしゃいます。

『特定の方のみゴミ拾いしたり、公園の草刈りをしたりする不公平感』をなくすという目的で強制加入させ、清掃などのイベント行事を欠席した場合には罰金も設けた自治体もあったようですが、町内会に強制加入させることも、罰金を取る行為もしてはいけないのです。

私が住んできた地域では、罰金を取るという社会的制裁をとった地域はありませんでしたが、意外とその数は多いようで通常2,000円~5,000円の罰金を取るところがあるようです。

罰金の社会的制裁を取った後も、陰口を言われるなど非常に住みにくい地域環境になるようで、世帯にとっては大きな問題になっているようです。

最高裁での判例に以下のものがあります。

「被上告人(自治会)は、会員相互の親ぼくを図ること、快適な環境の維持管理及び共同の利害に対処すること、会員相互の福祉・助け合いを行うことを目的として設立された権利能力のない社団であり、いわゆる強制加入団体でもなく、その規約において会員の退会を制限する規定を設けていないのであるから、被上告人(自治会)の会員は、いつでも被上告人に対する一方的意思表示により被上告人(自治会)を退会することができると解するのが相当であり、本件退会の申し入れは有効であるというべきである」

最高裁判例 平成17年4月26日判決

ゴミ捨て場を利用させないとする社会的制裁もしてはいけない

町内会に加入せずに会費も支払わない方に対して、ゴミ捨て場を利用させないという社会的制裁を科そうとする方もいますが、自治体の違法行為だとされた最高裁の判例があります。

新潟県の関川村では訴訟となり、自治会側が敗訴し、損害賠償命令が出ています。
(20万円×原告11人=220万円)

滋賀県甲賀市にある希望が丘自治会は、『自治会の脱退者や、会費未納者には、ゴミステーションを使わせない』という決議をしてて、事実上自治体から脱退できないものとされていました。

大阪高裁の判例

「ごみ集積所やごみステーションを利用することはできないという対応をすることを、決定すると、会員の脱退の自由は事実上制限されているものといわざるを得ない。その強制は社会的に許容される限度を超える」とした。

最高裁の判例

自治会側が控訴しましたが、最高裁第1小法廷(横尾和子裁判長)は平成20年4月3日、自治会側の上告を棄却し、自治会側の違法行為が確定。




まとめ

住んでいる地域をより良いものにし、地域の方との交流を大切にするという考え方は、素晴らしくて間違いとは思えません。

放置すると、いつも決まった方ばかりが頑張っているという事になりかねなく、最悪地域が崩壊する可能性も秘めています。

ですので秩序を維持しようとするために、つい頑張ってしまう方がいるのは理解できます。

しかし、怠けているようにしか見えない方の中にも、人には話したくないやむを得ない事情があったりすることもあり、町内会という自治体レベルでは、強制力のある社会的ルールを強要することは法律で禁じられているということです。

町内会費も支払わない方に、町内会費で購入したゴミ捨て場の檻などを利用させたくない気持ちは理解できますが、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」により、ごみの収集、運搬、処分については市区町村に相談をすることで問題なく使用できるものとなります。

町内会崩壊の危機を感じますが、時代の流れの中では仕方がない部分もあります。
町内会があっても、集めた町内会費を有効につかえず、どんどん積立金が増え続けている場所もあります。

共稼ぎ世代が増えつつあって、情報が簡単に集まる現代では、昔の町内会の姿は必要とされていないのかもしれません。

これからは、町内会にぜひ参加したくなるような自治体になるように、自治体側が工夫し、変化していかなければならないのかもしれません。

例えば、町内会に加入している方だけが閲覧できるサイトに回覧板情報を掲載し、回覧板を回すという負担を強いらせないようにしたり、健康診断を無料で受けられるようにしたり、進学する際にはお祝い金を贈呈するなどといったものです。

義務のように命じては、ただ反発を生み出してしまうだけなのかもしれないと思っています。

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